20140101

緑の精霊(Green woman 2012)


2011年暮れから翌年の正月に掛けて、千葉県館山市の植物園にある高さ25mの巨大な温室で展覧会を行った。生い茂る熱帯植物の間に植物達と調和する様に、約40点の絵画作品を展示した前例のないユニークな展覧会で、来場者にも好評を博した。温室内の高温多湿という展示には最悪の条件に対応出来たのは、長年培った野外展示のノウハウがあったからだ。
会場で2日間に渡るライブペインティングを行いその時に生まれたのがこのgreen womanだが、これほど周りの植物達に“描かされた”と感じた作品も他に無い。
自然の木々に囲まれた環境で制作する事は珍しくないが、温室の植物達は一本一本の主張が強く、渾然一体となった気を放つ自然界の草木とは全く違うヴァイブレーションで迫って来て、ひとつひとつのディティールを描かざる得ない状況に陥り、初めに思っていたものとは全く違う仕上がりになってしまった。描き上がった絵を見て、展覧会を企画してくれた植物園スタッフの方が「正にこんな人がこの温室には棲んでいると感じていました....。」と言ってくれた事が印象深い。