作品の制作数は年々増えている。しかし、〆切りのある絵であったり、ライブペインティングで描く絵が多く、時間をかけて描いた絵画らしい絵画作品は思う様に描けていない、と感じる時がある。好きな絵で飯を食えているだけでありがたい話なので、贅沢を言うつもりは毛頭ないが.....。
そんな思いが募り2010年2月に、久々に引き蘢って2週間かけて描いた絵だ。モデリングペーストを使って木の幹のマチエールを作ったり、暗がりに生えているアオキの実や、地面に這う冬苺の実を一個一個丹念に描いた。同じ技法で描いた「大地の唄」「森の子供」に連なる絵だ。
この絵を描くにあたって、インスピレーションの元となった風景が2つある。ひとつは僕が暮らす、アートガーデン・コヅカの活動の場である鴨川の里山。もうひとつは15年以上前に訪れた、カリフォルニアのレッドウッドの森。直径5mを超す巨木が当たり前にある森の中を歩いていると、神聖な気持ちになる。遺伝子のどこかに眠っている、縄文の森の記憶が蘇る。
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7 年前